既存ビジネスでのマーケティング

既にビジネスがスタートしている場合はどうすればいいのかを考えてみましょう。

 

既存客か新規客かという問題

顧客構造イメージ
顧客構造イメージ

   小さな会社が新しい「ビジネスの次なる一手」を準備するには大変な労力が必要です。スタッフも少ないし、やるべきことは多いし。それでもすべての会社が「次なる一手」を考えていかなければならない時代になってきたと私は思います。

 

        ビジネスが上手く回っている間はマーケティングコンサルなんて必要ありません。どんなコンサルタントよりも事業を推進されている皆さんの方が自分たちのビジネスのことはよくご存知だからです。

 

  コンサルタントが言う「原理原則」「教科書的な方法論」「最新のマーケティング理論」といった「青臭い議論」は問題の整理や、基本的な枠組みをする、基本的なビジネススキルの教育以外にはほぼ役に立ちません。「特定事業へ集中すべき」や「リスク分散」などは気のきいた人が遠目に見ればわかること。素直に周りの意見を聞けばいいだけの話です。


         問題はビジネスがうまく回らなくなったときです。

 

   自分たちだけでビジネスを見直すことはとても難しいことです。なぜなら多くの会社では「今迄、やってきた延長線上での解決策」しか考えつかないからです。私の経験から言えば、いかに社内会議で「顧客主義」「ゼロベース」で考え直すと言っても実際の議論は「既存事業を守るために思いつく範囲」でしか考えられないことが殆どでしょう。

 

        マーケティングで一番大切なことは「お客様と素直に向き合えているか」に尽きます。

 

   現状の売り上げをお客様区分ごとに集計して、売上の大半を占めているのは既存顧客か、新規客かをまず見極めることです。既存の売り方が通用しているのかどうか、なぜ選ばれなくなったのかという現状分析をしてそしてそこから企業の方向性を定めていくべきだと私は考えます。

 
         新規客からの売り上げが主な売上になっていて、常に新規を取り続けなければなければならないのか、既存客をフォローすればある程度の売上が期待できるか。売上の構成を検証してあるべきビジネス像を作り上げていかなければなりません。


プロモーション

顧客は知らない
顧客は知らない

        あなたは自分の使っている「歯ブラシ」のメーカーがどこか覚えていますか?そしてそのメーカーが「歯ブラシ」以外にどのような商品を扱っているか知っていますか?殆どの人が「メーカーは覚えていない」、「他の商品は知らない」のではないでしょうか。

 

        とても残念なことですが、あなたが自分の歯ブラシのメーカーやその他に作っている商品を知らないように、あなたの会社名、作っている商品やブランドの名前や機能・性能を覚えてもらえてませんし、扱っている他の商品のことなど全く知らないと言ってよいかと思います。

 

        でもそれは当然のことなのです。「興味のないことは覚えない」ように頭はできているのですから仕方ありません。知られていないことは知らせる必要があります。繰り返し、商品を知ってもらう努力を続けなければなりません。それがプロモーションです。


        知られていないことは「弱点」でもありますが、逆の見方をすると認知拡大のポテンシャルもとても大きい(あなたの会社が取り扱っていたとわかると注文が取れる可能性が高い)とも考えられます。知名度(認知率)が高まればきっと「売上拡大」につながります。どれだけ売れるかまでは判りませんが頑張る甲斐は必ずあります。

 

        予算があれば別ですが、普通の会社では商品を知ってもらうために「テレビCM」は打てないと思います。


        最低限の広報予算でどこまで認知を広められるか。考えてみましょう。

        まず身近なところからでいいと思います。自分たちの会社や商品の認知を広めるプロモーションは営業キャンペーンでもいいですし、チラシを作って撒いても構いません。トライアルキャンペーンも素晴らしい方法です。会社の名前・商品名を広める努力を行っていきましょう。営業マンの方がおられる会社では「キャンペーン」の実施はお得意先訪問のきっかけになります。


ホームページを用意する

        知名度を高めるために「ホームページ」は必須ツールとなりました。

 

        今、普通の社会人が見知らぬ会社(あなたの会社のことです)の話を聞いて、またはチラシを見たり営業訪問を受けたりして「面白い会社だな」と興味を持ったらどうすると思いますか?


        答えはお気づきのように「インターネットで調べてみる」ことになります。

 

        検索サイトに行って、あなたの「会社名」を検索してみます。その時に「該当するホームページがありません」と表示されたらどう思われるか考えてみましょう。もしかしたら「いい加減な会社なのか?」と思われてしまいます。検索して見つからない状態は「そんな会社が存在しません」と宣言されているのに等しいという時代になってしまいました。


        何も毎月、万単位のアクセスを獲得する必要はありません。
        あなたの会社のホームページはネットで「検索する人」のために設置しておく。というのが目的なのです。もちろん、売り物があればネットショップを作ってもいいでしょうし、見込客のための情報発信ツールとしてホームページを使うやり方はとてもいいと思います。ネットの利用範囲は無限大ですが、まずは会社の存在を示すためのツールと考えましょう。

 

        付け加えますと、ホームページからのレスポンスを受けるのは必ずしも「メール」や「フォーム」からだけではありません。ホームページですからメールやフォームで送信するのが一般的ではありますが、もしメールが苦手であれば「電話番号」を記載して営業時間中に電話を掛けてもらうようにしても構いません。

 

        会社名で検索したときに表示されるホームページを開設する。ネット活用はまずそこから始めていただければと思います。


お客維持の考え方

        顧客構造を見て、必要最低限のプロモーション策を講じて、ホームページを用意する。ここまでできればいよいよ「次なる一手」を考えるわけですが会社によって発展経緯や顧客構造が違うので取るべき「次なる一手」は当然、変わってきます。


        会社として『やりたいこと』『得意なこと』『逆に苦手なこと』『できないこと』を整理していきましょう。それに会社の中にはいろいろな課題もあると思います。それらを全部含めて次なる一手を考えますが、その中で共通する「次なる一手」として、私がお勧めする策は「お客様維持策」です。


        既存のお客様は一度、あなたの会社から商品やサービスを買った経験があります。言い換えると「あなたの会社・商品・サービスのいずれか・または全部を評価してくれた経験がある」のです。たとえ記憶が薄れているにしても全く経験のない人に一から判ってもらうより、理解してもらいやすいお客様です。このお客様にニーズを聞かせてもらってビジネスにつなげるのは新規客を開拓するよりも遥かに敷居が低いのです。

 

        一般的には1年以内ならまだ覚えておいて頂けていると思います。お客様が一般の消費者であれ会社であれ、電話を掛けたり、DMを送ったり、訪問できるのあればお伺いしたりします。そうしてもう一度会社や商品のことを思い出してもらった上で、新たな提案をしながらどのようなニーズをお持ちなのかを聞き出すようにします。


        聞き出せたお客様のニーズ(ご要望)にお応えする活動を行う。この姿勢が会社を発展させることは間違いありません。「次なる一手が見えない」時に今一度、お客様とコミュニケーションを取ることは「その次の一手」を生む素地にもなります。策が見えなくなってしまった時もこの「一手」をお勧めしたいと思います。

 

 

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