第2章 商売のカタチ

ネズミのイメージ

    この講座では個人事業を進めていく方を対象としていますが、規模で考えると一人でやるミニマムビジネスとお店などを構えてある程度、本格的な独立のカタチとなるスモールビジネスがあります。

 

    例えばネイルアートで独立するということを考えてみましょう。商売のカタチは「お客様を見つけ、サービスを行って、代金を得る」というカタチです。これをミニマムビジネスで考えると自宅やお友達のお家で友人知人を相手にネイルアートをしてあげるというカタチになります。道具はすべてカバンの中に入れて持ち運びネイルをしてほしいというお客様とお約束してそこで店開きになります。


    ミニマムなビジネスから一歩抜け出して、自前のお店を持つ形がスモールビジネスです。自宅を改造したり店舗を借りたりして営業を開始します。お店番の人を雇ったり、設備を整えたり、ミニマムなビジネスに比べて何かと大変になります。

 

    ミニマム・スモールどちらがいいのか?


    それは何のビジネスをするのか、資本金にいくら掛けられるのかによっても決まります。たとえば接客をするのであれば「お店はないよりあったほうが商売はやりやすい」です。しかしデザイナーやライターとして独立するなら「最初から事務所を持つのは勿体ない」と思います。

    しかしながら、大切なのはあなたの気持ちです。自宅でこじんまり始めるもの、お店や事務所を構えてやるのもどちらでも間違いではありません。判断の基準は自分の「身の丈に合っているか」です。無理のないスタイルを考えましょう。


ウサギのイメージ

   今あなたが考えている商売のカタチ、具体的に「どうやって儲けるか」を考えてみましょう。

 

   モノを製造販売する場合は、

   ①材料を仕入れる → ②加工する → ③売る → ④商品を届ける
   という商売のカタチがあります。


   モノの売り買いをする商売の大きな課題は「商品やサービスの受け渡しをどのように行うのか」と「どこでお金を払ってもらうか」という2点です。

 

   お客にとって代金の支払いは後払い「商品を先にもらって支払いは後から」がベストです。企業間のお取引では「月末で締めて翌月末でお支払」など月1回払いが主流です。しかしこうした後払いでは回収できなくなる危険性が常にあります。

   事業者としては先に入金してもらって送品が安全なのですが、先払いになるとお客様は「商品を送ってもらえないかも知れない」不安を覚えます。信頼が低ければ注文量は確実に減ります。

 

   それにコストの問題も無視できません。配送料には梱包する費用や荷造りをする手間もかかります。オークションで1品送るのであればそれほどの手間ではないかも知れませんが商売となると状況は変わってくることが多くあります。通販での代引きは商品と支払いが同時なので便利な決済手段ですがコストが掛かります。配達先で「受け取り拒否」になるとそれもまた負担になったりします。

 

   物販の場合どこで商品を手渡し、どのように代金を回収するのかを慎重に検討しましょう。

 

   サービスの場合は、
   ①材料を用意する → ②お客様にサービスをする(代金をもらう)
   というすごくシンプルなカタチになります。


   美容室などの場合は来店してもらって順番にサービスを提供するカタチもあります。また「予約制」というカタチもあります。またマッサージのようにお客様のところに行って行うサービスや、イベントなので提供するサービスなど商売のカタチは様々です。


   サービスを提供する方法でもさまざまなカタチがありますから、どの方法がお客様にとってベストなのか。お店にとって損が出にくいのか、効率的なのかを考えながら商売のカタチを作っていきましょう。